「今月は、出費が多かったから、晩酌は安い酒にしておくか…。」
「来月は、ボーナスも入るし、ちょっと高級な銘酒とでもいくか!」
「○○さんが<○○正宗>なんていう、幻の酒を贈ってくれたよ!たぶん○○,○○○円はするよ。御礼はどうしよう…。」
<当たり前に入手出来る酒。それが予想以上に安く入手できる酒。更には、もっと安く入らないか?と、価格を追いかけてしまう酒。
逆にどうしても入手出来ない酒。やっと入手出来るかと思いきや、ものすごく高額で売られている酒。それでも欲しくなる酒。…等々。>
高い酒、安い酒、とは、いったい何がそうさせているのでしょう?
そして、どうすれば納得のいくお買い物ができるのでしょう?
今回は、その実情を少しでもご理解いただければと思い、テーマにさせていただきました。
●日本酒がメーカー希望小売価格より高くなるケース
酒販店はどこからかお酒を仕入れなければ、当然、商売は出来ません。
蔵元(メーカー)から、直接仕入れの出来ない酒販店は、商社・卸問屋・他の酒販店等に頼らなければ欲しい商品を揃えることが出来ない訳です。
蔵元からの直接仕入れが可能な酒販店(卸・小売)を「特約店」と言います。
「特約店」は、蔵元と強いパイプを持ち、もちろん蔵元の希望小売価格での販売をしていますし、お金の流れも、きちんと蔵元に還元されています。
しかし…
「需要に供給が全く間に合わない」
「そこまで需要をかりたてる商品的価値がある」
等の理由から、その商品が流通上、通常とは違った流れを引き起こす場合があります。
これを…「横流れ」・「横流し」と言います。
・「横流れ」は、「特約店」が状況を認知せずに同業他社(ブローカー等)に販売し、同業他社が他の同業他社に販売(1クッション〜複数クッションを経由)し、最終的に消費者に販売される流れを言います。
・「横流し」は、「特約店」が故意に同業他社(ブローカー等)に販売し、同様に販売される流れを言います。
これらのほとんどが、「特約店で購入したメーカー希望小売価格+マージン(クッションごと)+コスト等」が加算され、「プレミアム価格」というかたちで、世に出てしまっているのです。
この現象は、インターネット通販やオークションに影響され、更に過熱するでしょう…。
メーカー希望小売価格で購入できる酒販店(特約店)は、非常に少なく、逆にプレミアム販売等をしている販売店の窓口は非常に多く、消費者の「購入価格の誤解」を招いているのも否めません。
以前、知人から、「<○○○○>と言う超有名酒をもらったが、お返しは、「5,000円」 程度が妥当かな?」と聞かれ、正直に希望小売価格を伝えると「え〜!(そんな価格 なの?)」と、本当に驚いた様子でした。
お酒を贈られた方を責めることは断じてしませんが、「購入価格の誤解」によって「適正価格」がどこかに行ってしまっているのが現状です。
● 日本酒がメーカー希望小売価格より安くなるケース
このケースは、みなさんの方がよくご存知かと思います…。
「良いものをいつでも安く」という普遍的な消費者ニーズに対して、日々、努力・追求 を惜しまない企業が多数ありますよね。しかしながら「供給が需要を上回る」と、前述 (高くなるケース)とは、逆の流れが起きます。つまり、商品の価値=価格と捉える消費者心理が蔓延してきます。こうなると例として、一時のビール業界のような事態が発生する訳です。世界的にも高いレベルにある日本のビールを1円でも安く買いたいといった消費行動に転じ、結果として大手ブランドのビールは、「オープン価格」と言う事態へと移行し、遂には、発泡酒や第三のビール等、<ビール風味のアルコール飲料> が市場を賑やかす結果となりました。(定価制〜メーカー希望小売価格〜酒販店が独自に販売価格を付けてOKといった価格体制となった訳です。)
更には、価格遡及という観点から、メーカーが「需給バランスを見ながら低価格商品を製造・流通 ・販売する(仕掛ける)」ケース等、こちらは多岐に渡っているのが現状です。
日本酒の場合、安くなるケースの大半は、原料・アルコール度数・製造方法等が特に大きく影響しています。このほとんどが商品の製造量 が圧倒的に多い大手メーカーに見られます。相対して、価格が高騰するケースは、逆に絶対製造量 が少ない中小零細メーカーに見られます。(高品質少量生産の商品(ブランド)が注目されて、需要が増加し欲しくても手に入らない状態。)
ここで、留意していただきたいことが、一点あります。
「高くなるケース」の流通で、最も憂慮されるのが、その流通過程と保存管理状況なのです。日本酒は、管理次第で風味が明らかに変わってしまう飲み物であることを、再度、ご理解いただきたいのです。
つまり、「特約店」で、蔵元からの直送が大半を占める商品を徹底した保存管理で販売している日本酒と、多くの流通 過程を経て店頭に品揃えの一つとして陳列されている同一銘柄の日本酒の味わいは明らかに違う! ということなのです
「この酒だよ!探していたのは!」と、せっかく大金を出して購入したどんな銘酒でも、 飲んでガッカリ…。なんて言うお買い物は、極力したくはありませんよね…。
さあ、こうなってきますと、消費者についても、判断力が必要な時代です。
ご納得のいくお買い物をしていただきたいのが、筆者としましてせめてもの願いです。
「目の前にある欲しい酒に、あなたは、いくら払いますか?」的なニュアンスを消費者のみなさん一人々がご判断いただくしかないのが、今の実情であるということをご理解いただき「お酒に正直な酒販店」さんを、早いうちに「おかかえ酒屋」にしていただくことを願って止みません。
その対策と言っては大袈裟かもしれませんが、欲しいお酒があったら、蔵元(メーカー)を確認して、直接、購入方法を問い合わせてみることがBESTです。
お近くの販売店を紹介してくれたり、その商品を造っている当事者と直接お話しができたり…と、思わぬ 巡り会いがあるかもしれませんよ…!
「楽しくお酒を飲む前に、楽しく納得のいくお酒のお買い物ができるとイイですよね!」
それでは、次回もおたのしみに〜! |