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「日本酒探検隊」今回の探検は……「麹(こうじ)」

日本酒は原料の米をアルコール発酵させた飲み物であることは、初回の本コーナーで解説し、前回までは、日本酒の素となる米と水についての解説をしました。
今回からは、その原料を使って日本酒になる一般的な工程をできるだけ簡潔に説明します。

酒造りの世界には、こんな言葉があります。
「一 麹、 二 もと、 三 造り」
酒造で特に重要な三つのキーワードです。その中で真っ先に登場するのが「麹」です。
その「麹」について解説していきましょう…。

「麹」とは簡単に言ってしまうと、「蒸米」に「麹菌」を繁殖させたカビです。
このカビは繁殖しながら、酵素等をつくります。この酵素によって アルコール発酵に必要な蒸米の中の「でんぷん」が「ぶどう糖」に変化します。そこに酵母を入れれば発酵へと進みます。この発酵は炭酸ガスを発して、アルコールへと変化していきます。
※「蒸米」になるまでには、蔵では「米の精米−枯らし−洗米−浸漬−水切り−蒸し−放冷」 等の様々な工程を経て来る訳ですが、ここでは割愛させていただきます。

 

米に直接、酵母を付けても発酵はしません。米の中のでんぷんを壊して糖分にする「麹菌」 を(蒸した)米に加えてやることによって、その菌がでんぷんを分解・糖化させ、やっとここで発酵ができる準備ができた状態となる訳です。
みなさんも、ご飯を噛めば噛むほど甘くなる経験をされたことが多いと思いますが、まさに 炊いたお米のたんぱく質等が口の中の唾液(アミラーゼ)によって糖化していくことを普段、 身をもって体験している訳です。
日本酒造りの工程からみると、蒸米にこうじ菌を繁殖させ糖化させる「製麹(せいきく)」と 呼ばれる麹作りが、酒造りの設計図といっても過言ではない重要なものとなります。
麹は「麹室(こうじむろ)」と呼ばれる特別な部屋で作られ、一般的に、製麹には40〜45時間 かかると言われています。その時間の中では、「引き込み−床もみ−切り返し−盛り−仲仕事 −仕舞仕事−出麹」といった様々な作業が行われているのです。
近年、「製麹」も様々な方法が使われています。また、麹の出来を評価する基準もあり、その出来が酒の風味にも影響を及ぼしますが、今回は、それぞれ、用語のみを掲載しておきます。
<製麹法>  
・「蓋麹法」・「箱麹法」・「床麹法」・「機械製麹法」  
<評価基準>
・「総破精型(そうはぜがた)<老ね麹:純米酒向きと言われる>」
・「突き破精型(つきはぜがた)<若い麹:吟醸酒向きと言われる>」

 

その後、段階を踏んで、蒸米、酵母、水が加えられ「酒母」をつくります。
また麹は、酒になっていく過程で発酵中のタンクの中にも加えられ、糖化を続けて行きます。
※「糖化しながら発酵していく(並行複発酵)<日本酒醸造最大の特徴>となります。次回以降で解説します。」
「麹菌」は蒸米の中心にむかって繁殖をし、その際、発熱を伴います。この時の温度管理は、 各蔵が最も気を使う(寝ずの番をする)ところとなります。
できあがった麹は、米の一粒ずつに霜がついているように見え、甘い香りと味がします。

 

 
いずれにしましても、あの小さな一粒に造り手が最大限に気を使い、酒の出来を左右するほど 重要な、目に見えない「麹」の世界は、大きな神秘に溢れているように感じます。ここから併せて、発酵という工程が始まる訳ですが、続きは次回で…。

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