信州は食のゲテモノが多いといわれている。上田地域でも昔から、イナゴ、蜂の子などが当り前に食卓に饗(もてな)されていた。今でも珍味として観光客などに人気があるといわれる。そんな中で、全国的に一般的ではない馬肉も信州独特の食材だ。普通は生のまま馬刺しとして食べられることが多く、栄養バランス的にも他の肉類よりいいらしい。酒の肴(さかな)に馬刺しといえば、愛好家が沢山いる。ところが、この馬肉は火を通すと硬くなるという特色があって、鍋料理や煮物には向かないと言われている。ただし、出汁をとることが目的ならこれほど美味い肉は少ないだろう。
上田には、この馬肉を使った肉うどんの人気店がある。JR長野新幹線、上田電鉄別所線、しなの鉄道の三線が入っている上田駅お城口から歩いて約2分のところにある中村屋がそれだ。この店の名物はなんと言っても馬肉の肉うどん。煮ると硬くなるはずの馬肉が独特の調理法で柔らかく煮てあり、馬肉の煮汁が実に美味い。うどんは普通のものだが、寒い季節には湯気の中に馬肉のしっかりとした存在感があって何ともこたえられない充実感に包まれる。食べ方としては、肉うどんに半ライスを付けることをお薦めする。肉うどんをほおばって、時々ライスを食べ、小皿に出された漬物をつまむ。絶妙な味のバランスが癖になること請け合い。さらに、鍋焼きうどんと馬肉皿の組み合わせもいい。2、3人で各自鍋焼きうどん一つずつと全員で馬肉皿を一つ注文する。そして、肉皿を当分に分けて鍋焼きうどんの中に入れて味わう。これがまたなんとも忘れられない味になる。お試しあれ。当然のこととして、中村屋では、馬刺しも食べられるが、なんと言っても肉うどんが最高だ。関東方面からこの味が忘れられなくて何度も訪ねてくるファンも多いという。 |
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