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「おやき」といえば、信州を代表する伝統的な食文化のひとつです。水で捏ねた小麦粉に山菜やナスと味噌、野沢菜の煮たものを入れて、囲炉裏の灰の中で焼き上げたもの。小豆の餡を入れた甘いものもあります。冬の寒い日に、おばあさんが孫たちに昔話を語りながら、一緒におやき作りをしていたのは何とも懐かしい風景です。「むかしむかし、独鈷山の麓になあ・・・・・」などと話始めると、孫たちはおやきを作りながら目を輝かせていました。いい時代があったものです。何でも買える、欲しい物は何でも手に入る今と違って、自分たちで、自分たちの身の回りにあるものを工夫しておいしいおやつを作っていた時代の方が、心はずっと豊かだったのかも知れません。味も各家庭で微妙に違っていて、「うちの方が美味い」「いや、こっちの方が具が凝っている」などと自慢しあったものです。そこには、親と子、祖母と孫たちのすばらしいチームワークと愛情がありました。 こうしたおやきが今、上田の味として人気があり、昔風な作り方だけでなく、鉄板で焼いたり、油で揚げたり、蒸したりとバラエティ豊かに展開しています。おやきは、昔から各家庭の味があったように、今も上田のあちこちの店で個性豊かな味を提供しています。自分で探してみてください。「私はここがいい」「僕はここの具が一番!」などと、味談義に花を咲かせられるのもおやきの楽しみ方のひとつです。そして、“おやきグルメ巡り”をしたら、自分でもおやき作りに挑戦してください。作り方にも具にもうるさくこだわらないのがおやきの良いところです。伝統の食材はもちろん、りんごのシナモン煮やラズベリーとグーズベリーのワイン煮、桑のみジャムなど洋風の具やポテトのトマト煮などイタメシ風のものがあってもいいかも知れません。是非、あなたの味にチャレンジしてください。